戦後民主主義を否定し、ブサヨと罵倒し、
「美しい国、日本を取り戻す」と、主張している、
高市早苗に、櫻井よしこに、百田百樹に、そして、
彼らに同調する、令和の若者たちに、観てほしい。

脚本今村昌平。『にあんちゃん 』『キューポラのある街』に続く、
高度成長期へ向かう、戦後日本ど貧乏ブサヨ映画の三部作である。
信じ難く、貧しく悲惨である。だが、明るいのだ。美しいのだ。
その明るさの、美しさの、正体は何なんだ、観ればきっと解る。
だから、観てほしい。
日本が、美しい国だった頃、戦後民主主義は、燦然と輝いていた。
美しい国、日本を取り戻したいのなら、今一度、戦後民主主義を、
取り戻すことだ。
敗戦直後から、生きるために、北海道は小樽の街の一角に、
住み着いた、浮浪者の集団があった。サムライ部落と呼ばれた。
そこで生まれ、また、そこに流されてきた、子どもたちの話である。
人間には、運命ってものがある。選べない、抗えない、ものだ。
子どもにとっての貧乏は、その一つだ。決して、自己責任ではない。
生活保護家庭に石を投げつける、それが、岩盤保守なのか。
高石早苗よ、櫻井よしこよ、百田尚樹よ、それに同調する、
令和の若者たちよ、きみら、人の情けってものがないのか。
人の情けこそ、日本人を日本人たらしめる気質じゃないか。
凄まじいハンディキャップなんだ、子どもにとって貧乏は。
それを諒とするのか、否とするのか。
戦後民主主義は、それを否とした。だからこそ、
『にあんちゃん 』が、『キューポラのある街』が、
商業映画として製作公開され、大ヒット作となった。
本作は、日活が、キューポラの柳の下の泥鰌を狙ったものだが、
ヒットしなかったみたい。僕も、全然知らなかった。
だが、出来映えは、素晴らしい。戦後日本映画史を飾る、
先行作品に、まったく引けを取らない。
人間は平等だ、貧乏はいけない、貧乏をなくそう。
それが、戦後民主主義の一丁目一番地だった。
だからこそ、日本は、奇跡の戦後復興を遂げ、
一億総中流とも謳われた、人類史上稀な平等社会を実現したのだ。
日本が、美しい国だった頃、戦後民主主義は、燦然と輝いていた。
美しい国、日本を取り戻したいのなら、今一度、戦後民主主義を、
取り戻すことだ。燦然と輝かせることだ。
繰り返そう。若杉光夫監督作品『サムライの子』を、観てほしい。
戦後民主主義を否定し、ブサヨと罵倒し、
「美しい国、日本を取り戻す」と、主張している、
高市早苗に、櫻井よしこに、百田百樹に。そして、
彼らに同調する、令和の若者たちに。アマゾンプライムで、視聴できます。