そう、夏野菜のオクラ。
おろしにしたり煮びたしにしたり天ぷらにする、あのオクラ。
何年も前から、戦時下の銃後の生活よろしく畑と化した、
わが家の庭に咲いたのを、僕は、この夏、初めて見たのです。
ちなみに畑は、妻が一人で丹精し自給、僕は専ら自足でして。
よくオクラが食卓に上るので、訊いたのね「今年はオクラ植えたんだ」。
あー、物を投げないでください。
で、八月のある朝。ふと目に留まったのです。
なんて綺麗なんだろう、まるで蘭の花のよう。
レモンイエローの花弁、ワインレッドの花芯。
匂いもまた、蘭にも似て妖しく艶やか、官能的なの。
靭く惹かれ、フィルムでない写真など写真ではない、
画像データだと、滅多なことでは手にしないデジカメを持ち出し、
撮影。それが、この一枚。感心覚めず、一首詠んでもみたのです。

莢 食 す 野 菜 な れ ど も 花 よ り も 猶 う る わ し き オ ク ラ 咲 き た る