僕は、ずっと、西南戦争で西郷党が負けて良かったと、
思ってきた。だが、本書を読んで。
本書の白眉は、第七章「西郷党の落し子」だろう。

著者は、西郷党に勝ってほしかったと、思っていたようだ。
西郷党を否定し、これを屠った新政府の明治維新とは、
維新の大義であるべき国民国家建設=民主革命を卑小化させ、
ただただ、封建領主から資本家階級へと権力を移行したに過ぎないと。
これに根底から異を唱え、維新の大義を掲げ、維新やり直しを要求し、
武力に訴えたのが、西南戦争であり、
北一輝畢生のプロパガンダ「国体論及び純正社会主義」は、
西南戦争のリベンジを目指すものであると。
僕は、西郷党なんて、ファシスト集団だと感じていたから、
負けて良かったと、思ってきたのだが。
明治維新の本質は国民国家建設=民主革命であるべきと念じ、
現実の維新は似非であると断罪、その理想を求め、
第二維新の革命論理を縦横に展開したのが、
「国体論及び純正社会主義」一冊。
西南戦争前後より、自由民権運動が澎湃として興ったのも宜なるかな、
西郷党こそ自由民権運動の先駆、北一輝は、その落し子であると。
これを正しく評価しなければならないと、著者は、読者に訴える。
祖国か死か!カストロが、ゲバラが、劇しく迫ったとき、
多くの国民は、祖国のために、死んでも好いと思っただろう。
新生キューバは、民主革命によって生まれた、わが祖国だったから。
そうした国は、美しいと思う。
そうした美しい国になる機会が、日本にもあったのだと。
著者の立ち位置は、左翼民族派。僕も、列に加わりたい。
米国に拝跪する日本など、情けねえよ。