
1971年夏。中津川フォークジャンボリーのメインステージに、
異形の無名シンガーが突如登場。坊主頭を振り乱しながら、
ギターを掻き鳴らし、唾を飛び散らせ、唄い狂った。
♪~小便だらけの湖に あなたとふたり飛び込んで
うたう唄はさすらい艶唄 踊るダンスは盆踊り
だから だかあら なんでもいいから曝け出せ
だから だかあら なんでもいいからぶち壊せ~
宵闇の野外会場に轟く雷鳴のごとき絶叫に、
人も野も、どよめいて揺れ、爆ぜた。
僕は、その中にいた。僕は、覚えている。
骨の髄に、今も巣食っている。あの乗り。
そうか、一遍の踊り念仏って、直感的に確信する、
あの乗り、なんだ。いけ、いけ、往け、往け、なんだ。
発端は、昨年末放送された、NHK-BS「英雄たちの選択」。
踊り念仏の一遍を取り上げた番組だった。
ゲスト出演の気弱そうなイケメンの若い政治学者が、
おどおどかつずけずけと、熱を籠め語り紡いでいた。
一遍上人その人をアナキストと見定め、生死を賭け、
鎌倉幕府に抗った、矯激な一遍の抵抗精神を讃える。
そうか、この人が、栗原康なのか。
ソッコー市の図書館へ、走ったね。
借りられる著書を片っ端から借り、一気呵成に読む。
『村に火をつけ、白痴になれ 伊藤野枝伝』
『働かないで、たらふく食べたい「生の負債」からの解放宣言』
『現代暴力論「あばれる力」を取り戻す』
『アナキズム 一丸となってバラバラに生きろ』
そして、『死してなお踊れ 一遍上人伝』と読み進み、
次は、『大杉栄伝 永遠のアナキズム』だ。
どうだ、タイトルを目にするだけで、仰け反るだろう。
このご時世に黒旗をぶん回す、栗原康、ナイスガイだ。
負けちゃおられぬ、僕だって、希望は、革命なんだよ。
配信動画のラストテイク、10分30秒過ぎあたりから、
かの大杉栄が作ったとも伝聞される「レボリューション小唄」、行くぜ。
