僕も、あなたも、安倍晋三も、
この世に生を享けていなかったであろう。
銃弾を受けた瀕死の鈴木貫太郎の身体に覆い被さり、
日本刀で止めを刺さんとす安藤輝三に向かい、
「止めだけは、止めだけは」と懇願する細君の必死の訴えに心動かされ、
刀を鞘に収めた、安藤輝三の武士の情けが、なかったならば。

不思議の感に堪えない。鈴木貫太郎邸を襲う部隊が、
安藤隊でなかったなら、鈴木貫太郎は死んでいた。
2.26事件から9年後、鈴木貫太郎は、大日本帝国最後の内閣総理大臣として、
終戦工作に骨身を捧ぐ。鈴木貫太郎がいなければ、天皇の「御聖断」はなかった。
天皇の「御聖断」がなかったら、ポツダム宣言受諾はなかった。
ポツダム宣言受諾がなかったら、本土決戦、一億玉砕であった。
僕も、あなたも、安倍晋三も、
この世に生を享けていなかったであろう。
安藤輝三は、格差社会に断固ON!を突き付けた。
貧乏人を搾取する資本階級に怒りを燃やしていた。
生きるか死ぬかの貧乏人に寄り添っていた。
巡り巡って、ではあるが。
安藤輝三こそ、戦後日本の礎である。