町田康「宿屋めぐり」読了。
哄笑の果ての阿鼻叫喚の中から、
哲学的命題がむくりと頭を擡げる、
町田文学の真髄を堪能す。
小市民生活者の欺瞞を斬り捨て、
返す刀でパンク野郎の我執を断つ。
その血刀こそ、純文学の業物なり。
僕は「告白」を一等に推すが、
本作も復、代表作の一つであろう。
笙野頼子の文庫本解説が、錦上花を添える。
人の世は宿屋めぐりぞ経めぐるも終の住処の終ぞ有りしか