英国労働党の党首に、筋金入りのサンジカリストが就いたのは、
この映画の上映、ヒットが与ったからに違いない。
僕は、そう信じたい気分に、なっちゃった。実に、いい気分だ。
つい先日、WOWOWで放映された「パレードへようこそ」を観たのです。
映画館で映画を観られない、ワーキングプアの身の上でして。あちゃ。
ロンドンの同性愛者たちが、ゼネラルスト決行中の炭坑夫たちに共鳴、
「炭坑夫を支援するレズとゲイの会」を立ち上げ、街頭募金を始める。
ホントかよと言いたくなる、サッチャリズム時代の実話が基だという。
合言葉は「くたばれ!サッチャー」。レズもゲイも炭坑夫も、
政府とイエロージャーナリズムと警官に、同じように痛めつけられている、
社会的弱者じゃないか。だったらよお、連帯して戦おうぜ。と。
オカマの施しが受けられるかと、生理的に拒絶する組合が続出するなかで、
南ウェールズの小さな村の炭坑組合が、浄財を受け取り、
組合のリーダーが、そのお礼にロンドンを訪ね、ゲイバーでスピーチする。
受け取ったのは、お金ではない、友情だ。と。
組合のリーダーは、仲よくなった「レズとゲイの会」のリーダーに約束する。
俺たちの組合には、百年以上も昔から伝わる旗があるんだ。
特別な日にしか掲げないんだけどね。いつか、見せるよ。と。
小さな村の炭坑夫たちと同性愛者たちの連帯は、日に日に深まるが、
快く思わない村人の裏切りから、イエロージャーナリズムの格好のネタとなり、
問題視した、組合の上部組織の意向で断ち切られ、
ゼネストそのものも、ついには、苦い敗北となる。
しかし、ラストシーン。同性愛者たちの権利要求のパレードに、
陸続とつめかけたのは、ゼネストを戦った、炭坑夫たちだった。

パレードの先頭を行くのは「炭坑夫を支援するレズとゲイの会」の面々であり、
彼ら彼女らを支援する炭坑夫たちだ。青空に翩翻とひるがえるのは、
百年以上も昔から伝わる、南ウェールズの小さな村の炭坑組合の旗であり、
旗の図柄は、がっちりと結び合った、手と手。胸に、ジンとくるぜ。
義理と人情、義侠心は、日本人の専売特許ではない。
圧倒的な力に虐げられ、痛めつけられ、それゆえ互いに結びつき、
扶け合おうとする、世界中の庶民大衆が持つ、自然な感情だろう。
映画の原題は「PRIDE」。一寸の虫にも五分の魂を描いて、
まことに清々しく、雄々しい。労働党の新党首、筋金入りのサンジカリストも、
映画を観て、泣いたに違いない。