ロックミュージックに関していえば。たとえば、
ストーンズはブライアン・ジョーンズあってのストーンズで、
ブライアンのいないストーンズなんて、ストーンズじゃないよと、
自分でもあきれるほどのガラパゴスぶり。
つい最近も、僕の歌を聴いてもらった40代前半の呑み屋のマスターから、
「ジョン・ハイアットを思い浮かべた」と評されたのだが、
ハイアットその人を、知らなんだ。あちゃ。
これまで「トム・ウェイツみたいね」とか、
「ヴァン・モリソン好きでしょ」とか言われることが、ままあって、
おだてられりゃ木に登る豚ですから、悦に入っていたのだが。
ジョン・ハイアットは、まったく聴いたことなかったので、
おっとり刀でディスクユニオンへ駆けつけ、代表作といわれる
「ブリング・ザ・ファミリー」を入手したのです。
セイシブ。誠実で渋い。この誠実さが、
ハイアットをマイナーに留め置いたのだろう。
ご存知の方は、いまさらでしょうが。デビューして10年以上鳴かず飛ばず、
一粒種を授かるものの、ドラッグとアルコールに溺れ、妻に自殺される。
途方に暮れていたところ、神の導きのように知り合った、
やはり子連れのバツイチ女性と再婚。再起を期して吹き込んだのが、
「ブリング・ザ・ファミリー」だ。タイトルが、その間の事情を物語っている。
淋しいのはお前だけじゃない。そんなメッセージの詰まった、歌で綴る、音で聴く、
アメリカンニューシネマ。そう、ディック・リチャーズ監督の愛すべき佳作
「ブルージーンズ・ジャーニー」のような世界。しみじみと好いんだなあ、これが。
これからは
「ファミリーエリアのジョン・ハイアット」と、名乗ろうかしらん。