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先日の昼休み、勤務先近くの図書館の視聴覚コーナーで、
井上ひさし作こまつ座公演のビデオ「頭痛肩こり樋口一葉」を見つけた。 早速借り出し、退社時間を待って一目散に帰宅。間隙置かず観劇し、感激してしまった。 以前にも述べたと思うのですが。小説映画演芸音楽美術、文芸全般なんでも大好きなのに、 なぜかしら演劇は苦手で。井上戯曲も舞台では一度も観たことがない。 映画化された「日本人のへそ」「父と暮らせば」、テレビドラマ化された「国語元年」、 それにNHKの舞台中継で「イーハトーボの劇列車」「化粧」「泣き虫なまいき石川啄木」 「父と暮らせば」を観たくらいかな、われながら情けない。 よくもまあ文芸ブログを自称できますねと、セルフでツッコんでおきます。 借り出したビデオは、「こまつ座ビデオ劇場」と銘打たれており、 製作は紀伊国屋書店。実によく出来ている。演劇のテレビ中継って、まず面白くない。 フィックスで舞台全景を見せるのが基本だが、それだけじゃ飽きてしまう。 劇の流れに沿って役者に寄ったり、動きを追ったりしなきゃならん。 劇場の観客は、それを心の命ずるままに自然に行うのですが、それは当然千差万別で。 キャメラアイが、テレビの前の僕と生理的に一致してないと全然乗れない。 だったら、劇場へ足を運べよと、再度セルフツッコミ。 今回は、奇跡のように異和感なかった。だから、ぴったし乗れた。 さらに、全二幕十場の合間合間に、ロケーション映像がイントロダクションとして 挿入されるのだが、これがまた素晴らしく、巧みな呼び水となっている。 劇場で観た人が観ても、あっと思うんじゃないかしらん。 言うまでもなく、井上ひさしは、近世の近松門左衛門にも比肩される、 現代日本を代表する戯作者。一等の魅力は、何と言っても練りに練った、 凝りに凝った「趣向」にある。「頭痛肩こり樋口一葉」に於いても、然り。 登場人物は、たったの六人。それが、すべて女性。 場面は、すべて一葉の移り住んだ借家。 時日は、一場を除いて、すべて盂蘭盆。舞台中央に仏壇が鎮座。 ♪〜ぼんぼん盆の十六日に 地獄の地獄の蓋があく ぼんぼん盆の十六日に 地獄の釜の蓋があく 浴衣姿の少女たち(後に幽霊となる登場人物の女優二役!)の遊び歌で幕が上がる。 作詩井上ひさし、作曲宇野誠一郎のオリジナル。この歌が、一度聞いたら もう耳について離れない。フェリーニ映画にニーノ・ロータの音楽が不可欠なように、 井上戯曲に宇野誠一郎は欠くべからざるもの。そう「頭痛肩こり樋口一葉」は、 「ひょっこりひょうたん島」がそうであったように、ミュージカル仕立てなのであります。 明治ですよ、あの貧乏で薄幸の一葉の物語ですよ、それをミュージカル仕立てとは。 趣向の井上ひさし面目躍如。 ♪〜おいも屋さんおいも屋さん ちょいといなせなおいも屋さん 妹邦子(高橋紀恵)が留守番しているところに、ヘンテコな歌をうたい踊りながら、 母多喜と多喜が乳母をつとめていた、元二千五百石取りの旗本のお姫様おこうが登場し、 芝居がはじまる。東宝映画社長シリーズの淡路恵子とタカラジェンヌの順みつきが 演じるのだが、ザッツ・エンターテイメントってゆうか、ほとんどアチャラカ喜劇の乗り。 僕はもう、幕開けから笑い転げてしまった。演出、木村光一。いい仕事してますねえ。 アチャラカって云えば、一葉(未来貴子)の眼にだけ映る幽霊、 花蛍を特筆しないわけにはいかない。後追い心中したこの吉原花魁を、 文学座の幹部女優新橋耐子が演じているのだが、 生涯の当たり役、満座を沸かせ、舞台をかっさらう。 生前自ら戒名を付けるほど己の境涯に絶望し、こころをこの世の外に置いてしまった 一葉と花蛍の、此岸と彼岸を挟んでの遣り取りで以て、井上ひさしは、 一葉文学の核心、晴らせぬこの世の無念を筆で晴らす、を明らかにしていく。 見事というほかない作家の企みだ。 いま一人、一幕二場から登場する、父の同僚だった同心の娘八重(大西多摩恵)は、 貧乏士族から官吏の玉の輿に乗り、はたまた一転女郎へと身を堕し、 何の因果か、おこうと相打ちの殺人事件まで起こす。 全編を通し描かれるのは、御一新に翻弄される女たちの流転の人生。 坂の下の水溜り。一葉もまた、文筆で立身する念願を叶えた途端、冥界へと旅立つ。 一葉の後を追うように、母多喜も他界する。テーマは、そう「NO WOMAN NO CRY」。 泣かない女はいない。 ♪〜わたしたちのこころは穴のあいた容れもの わたしたちのこころは穴だらけの容れもの 生きていたころの記憶がその穴からこぼれてゆく 生きていたころの想い出がその穴からこぼれてゆく 穴という穴からポロポロこぼれてゆく こぼれた記憶は散らばる宇宙にこぼれて散らばる こぼれた想い出は散らばる宇宙にこぼれて散らばる すべての記憶がこぼれ落ちると わたしたちはいなくなる すべての想い出がこぼれ落ちると わたしたちはいなくなる 終盤近く、死の床に就いた一葉の枕元へ、幽霊となって顕れたおこうの歌う 珠玉のバラード。この辺りから、胸がしめつけられ、目頭が潤むのを堪えきれない。 畳み掛けるラストシーン。姉も母も他界し、一人残った邦子が、 仏壇を背負って!借家を後にする。見護る五人の女幽霊たち。 いちばん新入りの母多喜が、世間体に縛られつづけ生きて来た多喜が、 娘の門出を励まし、声を掛ける。 「邦子しっかりおやり、世間体なんて気にしちゃだめだよ!」 胸打つバラードの旋律が静かに流れ、涙とともに流れ、幕が降りる。 作家・劇作家井上ひさし、本年4月9日永眠。合掌。
by blog-blues
| 2010-06-10 10:00
| 文学の風
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Trackback(28)
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Comments(2)
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
井波りつ様へ。ようこそ、お訪ねくださいました。中野図書館で借りれます。全然匿名の必要ないコメントですので、次からはオープンに。公演の日程など教えていただければ、幸いです。あと、本エントリへの感想などもネ!
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