フィレンツェについて書く仕事があり、
といっても他愛ない、200字程度の広告コピーなのですが。
そうそう「わが青春のフロレンス」って、めっちゃ良かったよなあ。
恋人と、確か大塚名画座で観たんだよなあ。と、浮ついた気持ちが心を掠め、
検索してみたんです。「わが青春のフロレンス」で。
したら、
「中川敬のシネマは自由をめざす!」というブログに行き当たった。
取り上げている作品が硬派揃いで、紡がれている言葉が真摯で、たじろいでしまった。
中川敬って、あの中川敬、と思いきや、果たしてソウルフラワーの中川敬でした。
すごいね。日本人ミュージシャンで、ここまで先鋭に、社会問題政治問題を
語る人間を初めてみた。大体、ワイダやケン・ローチやチェン・カイコーに
言及するなんてないよ。せいぜいが、スピルバーグが好きとかさ、
ジョージ・ルーカスが面白いとかさ、そんなレベルでしょう。
しかるに、中川敬。問題意識の持ち方が、大島渚なんかと同じなんだ。
表現者は、そうでなくっちゃ。魂の解放をこそ、めざしている。
それをめざした作品に、劇しく共鳴している。さすが、チンドンサウンドで
♪起て飢えたる者よ~「インターナショナル」をぶちかました男だ。
彼が熱い共感を寄せている、80年代90年代の中国映画、イラン映画、
ブラジル映画などのインディーズ系秀作は、僕もあらかた観ているのですが。
最近UPしている日韓のドキュメンタリー映画は、まったく観てないってゆうか、
存在すら知りませんでした。ハ、ハズい。
僕もまた、彼が心を込めて罵倒している、消費民主主義を享受するばかりで
怒りを忘れちまった、体制補完者である。ギターの弦を張り替えねば。
とてもソウルフラワーとは、対バンできねえ。