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今更ですが。
YouTubeこそは、名曲名演の宝庫である。 はっぴいえんどをバックに「私たちの望むものは」を歌い上げる 岡林信康を、フルコーラスにわたって映しつづける 中津川フォークジャンボリーのドキュメントとか、 浅川マキの「かもめ」以前のデビュー曲である「東京挽歌」とか、ね。 枚挙にいとまがない、お宝モノが目白押し。 シャープス&フラッツの編曲・演奏による 美空ひばりの「花笠道中」なんて、珍品にして絶品である。 夜毎、晩酌しながらアクセスしている。そんな徒然に、 ~昭和の隠れた名曲、茶木みやこ「泪橋」~というクレジットを見つ けた。 ものは試しとクリックすれば、一聴、惹きつけられた。 まごうかたなき昭和の名曲、70年代の匂いがぷんぷんする。 学生運動の終焉、挫折した革命への挽歌でもあろうか。 痛切きわまりない歌詞が、劇しく胸を打つ。 フォークや歌謡曲には珍しい、スリーラインポエム。 ブルーノートやセブンスコードが使われているわけではないが、 メロディの展開がブルースに重なる。 曲調は、これはもう、加藤登紀子だ。 「知床旅情」とか「酒は大関」とか、旧くは「カチューシャの唄」とか、 あの類い。演歌のような唱歌のような日本の「情歌」だ。染みるなあ。 今夜も呑みつつ、PCに耳を傾けている。 ご一緒に、いかがですか。 ♪~ 京の日暮れは東山 雨に打たれる疎水辺り 行きつ戻りつ偲びつつ あの日の友はいま何処 泪でかすむこの橋は 誰が名づけた泪橋 一人二人とこの橋を 泪で渡って帰らない ともに語ったあの世界 昔話と笑うのか きっと帰ると手を握り 友と別れた泪橋 川の流れか時は過ぎ 友の便りもすでに絶え 乾いたこころが残るだけ 死んだ友さえ幻か 渡りきれずにまた戻る 虚しさだけか泪橋 独りぽっちが耐えきれず 思わず友の名を呼べば 泪の顔は雨の中 みんな優しい友なのに どこまでつづく悲しみは 独りぽっちの泪橋 ~ 日本一の悪場所、歌舞伎町で「ロバQ」のライブがあります。 僕もゲストで出演します。来てね。 ![]() 昨年末より、自作曲を着うた配信しています。 アクセスは、こちらです。 ![]() 迎春。本年が良い年でありますようにと祈るばかりです。 僕の旧い音楽仲間である「ロバQ」の、東京初ワンマンライブのポスターができました。 少し早いけれど、お披露目します。当日は、僕もゲストで、ロバQのバッキングで歌います。 ロックが好きな人は、ぜひ来てほしい。滅多にないイベントですから。 昨年末より、自作曲を着うた配信しています。 宛先は、こちらです。 http://www.radi-con.com/program/106
TBSラジオ系のポータルサイト「らじこん」から、
自作曲が「着うた」配信されることになった。 そうなんです。「BLOG BLUES」は、音楽演ってるんです。 「うたたね歌蔵」ってんです。ステージネームが。 エントリーされているのは、 ボラボラ島への憧れを歌った『天国にいちばん近い島 BORA-BORA』 ウッドストック世代の生き残りの心情をぶちカマす『ジョン・レノンは上機嫌だ』 そして、聴いてもらった人から「金子みすずしてる」って評された(ホ ントだってば!) 『花に翼はなくていい』の3曲です。 一粒の麦、地に落ちて死なずば。そんな風に、 一曲の歌、地に落ちて死なずば。となれば、本望です。 ダウンロードしたってください。よろしく、ベイベエ! 宛先は、こちらです。 http://www.radi-con.com/program/106
もう百年もすれば、近松門左衛門や河竹黙阿弥らと並び称されるであろう、
日本文学史上の巨人、故井上ひさしの表裏を綴った好著である。 昼休み、本屋でたまたま目に留まり、立ち読みを始めたのだが。 ぐいぐい引き込まれ、購わずにはいられなくなった。 ワーキングプアの身には、新刊本購入は、めっちゃ痛いのだけれどね。 もとより文筆の素人の書き物ではあるが、力がある。だが、力んではいない。 書き遺しなさい。そんな天命に依って、書かれたものなのか、姿勢がいいのだ。 暴露本という側面もあるにはあるが、著者の詩魂が、それを乗り越え、 一個の立派な文芸作品として屹立している。 あゝ おまえはなにをして来たのだと… 吹き来る風が私に云う 好子さん、となぜか呼びたくなってしまった、著者の胸に、 かの詩人と同じ風が吹いたのだろう。同じ風の声を聞いたのだろう。 井上ひさし傑作の陰に悪妻好子ありとの風評に、僕は肯首する。 新潮社の「井上ひさし全芝居」を通読すれば、一読了解だ。 再婚後の作品は、お体裁ばかり良くって、全然パンチがないじゃないか! 鈴口に疣をつけさせた、あの黒い笑いを湛えてこその井上戯曲、 人間性を訴えるその訴えが、劇しく胸を衝くんじゃないか! それにしても。表現者の夫を持った女性の一代記といえば、 すぐに「ゲゲゲの女房」が思い浮かぶが、なんという両者の相違であろうか。 一方は、艱難辛苦を経て幸せを築き、愛燦々。 一方は、疾風怒濤の涯てに荒野に立ち、風蕭々。 長女井上都による「あとがきにかえて」が、健気で美しい。 この痛切極まるドキュメントに、浄化をもたらす。No Woman, No Cry.
図書館へ行く。日本文学の棚をあいうえお順に辿る。
背表紙を眺める。左から右へ、流し読みしていく。 時々立ち止まり、本を手に取り、また棚へ戻す。愉しい時間ですね。 ま行まで来る。「町田康」の名札があり、 人 間 小 唄 はたと足が停まる。目が点になる。 肚の中で、瞬間湯沸し器のように笑いが沸騰した。 僕は、コピーライターで何十年も飯を食ってきたが、 人間、ときて、小唄、と付けられるもんじゃ、そうそうありません。 人間、ときたら、讃歌、とかね。普通は、そんなもんでしょ。 で、そうした凡庸が、凡庸ゆえに、 間違って時代の寵児になったりもする。 秋元康、とかね。 なんで「川の流れのように」のような凡庸な歌が、 天才歌手美空ひばりの代表曲足り得るのだろうか。信じられん。 そうした現代ニッポンのブンカ情況を、 作家はトホホと思っている。箱と思っている。 箱とは、本作で作家が創作披露した、蛸、以上の罵倒語です。うわははははは。 鬼才の言語感覚をテッテ的に貪る小説だろう。 フリーキーでアナーキーな文字の連なり、与太話を、小説として 成立させてしまうというか、放り出してしまう作家の豪腕に唸るほかない。 笑って笑って笑い死ぬほど面白い。が、読後感はよくない。悪意の小説だからね。 エントリタイトルの「はいからに天かす入れるな」は、知る人ぞ知る 作家のパンクバンド時代のパフォーマンス。僕は、中島らものエッセイで読んだ。 自己同一矛盾である。本作にも滲んでいる。作家の生涯の主題であろうか。 実は、純文学がいちばんアブナいんだ。あらためて、実感。
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